要点を絞った説明で、すべき対応が明確化
・従業員に対して柔軟な就労形態を整えたい
・実態把握調査票を利用した実態把握
・社内の制度や相談窓口、地域の介護サービスの周知
介護に直面している男性従業員から、「現在、入院中の親の介護を妻が行っているが、退院後は日常の面倒を見ることになるかもしれない」と相談を受けました。
その他には要介護者がいる従業員はいないと思いますが、従業員の平均年齢が49歳で、親が80~90代という従業員もいるため、今後介護に直面する従業員が出る可能性は高いと思っています。
従業員のほとんどが工場の現場勤務で、残業の上限規制を守りつつ年次有給休暇を時間単位で取得できるなど、従業員のニーズに応じて休みを取りやすい環境は整えてきたつもりですが、さらに介護のための柔軟な就労形態を整え、介護休業の取得、両立支援等助成金の利用も視野に入れて対応したいと支援を申し込みました。
プランナーからは「企業における仕事と介護の両立支援実践マニュアル」の中にある「実態把握調査票」を利用して、従業員の実態を把握することから始めるようお話がありました。働き方について従業員のニーズを汲み取ってみること、さらに、今回資料の中にあったリーフレットを活用して社内制度や、社内の相談窓口、地域の介護サービスの利用など周知を行うことが必要であることも教えていただきました。
社内周知にあたり「一人で抱え込まないこと」また、会社の制度や、介護保険制度をうまく活用して仕事を続けていくことが大事であることも伝えていくようアドバイスを受けました。
その後、社内で実態調査をした結果、対象従業員以外にも妻が心の病を抱えている従業員がいることも分かりました。
今回の支援を受けて、法改正に伴う社内規定の見直しを行いました。また従業員との労使協定も結び、社内で回覧を行いました。育児・介護休業等の規定に関しては、厚生労働省で公表している規定例の簡易版で制定していたので、今後は詳細版での改定に取り組むべく検討中です。
労使協定の回覧以外にも、マニュアルの中にあった「仕事と介護の両立準備ガイド」も活用しつつ、「介護の対象となる家族の範囲」を社内で作成し、提示を行ったことによって、より具体的に介護休業に関して認識ができたと思います。また、面談時には「育児・介護休業の取得」「特別有給休暇」「時短勤務」などの利用ができることを伝えており、従業員にも徐々に浸透してきています。
今回、支援の前に「仕事と介護の両立」に関する資料を送ってもらいましたが、3冊のマニュアル中身を全て把握することは厳しいと感じていましたが、プランナーから5つのポイントに要点を絞って説明があったことで、会社として対応すべきことが明確になりました。
この事業を活用したことにより、対象従業員は通常業務を継続でき、また他の従業員にも安心感を与えることができたと感じています。
<参考>企業における仕事と介護の両立支援実践マニュアルはこちら